この記事では、商社営業マン/ルート営業マンの時間の使い方について紹介します。
外回りの頻度・・・「上司の目もあるし、とにかく外へ出なきゃ!」
営業マンなら誰もがこのような強迫観念にかられることが結構ありますよね?
以前は僕もそうでした。
また、「一件でも多く客先を回らなきゃ!」と売上を上げるという目標のもと毎日忙しく外回りをこなしてノルマ達成へ向けて奔走する、なんていうことも日常的にあるかと思います。
でも違うんです。
外回りすればするほど売上が下がり、逆に、外回りしなければしないほど売上が上がるという嘘のような本当の話が、こと商社営業においてはあるのです。
今回は現代社会における営業スタイルの在り方を、少しだけお話しようと思います。
※前提として、本記事でお伝えする営業マンの対象は「商社営業であること」「ルート営業でそれなりに常時取引先が確保できていること」です。
「メーカー営業」や「全くの新規開拓が中心の営業」については必ずしもこの方法やプロセスが適用とならないことがあることをご了承下さい。
基本は納品のみでOK
お客さんはそんなに頻繁に来てほしいと思っていない
そもそもお客さんは「毎週みたいに来てくれるから」「雨の中足繁く通ってくれたから」なんてことで営業マンの良し悪しを決めていません。
逆に言えば、「いやいや、そんなに頻繁に来られても、こっちも仕事があるんだけどなぁ・・・」なんて心の中では思っているのです。
あなた自身が営業を受ける側だとして考えてみて下さい。
例えば、あなたの職場に保険屋さんの営業が来てくれるとします。
「先週は終身保険」「今週は医療保険」「来週は学資保険」・・・といった具合に毎週目新しい情報・商材を営業しに来てくれるとします。
あたながそれらを現段階で検討しているのであれば、その営業の人が持ってきてくれる情報に有益性を感じるかもしれません。
ですが、自分の入る保険を毎週毎週検討していることがありますか?ないですよね?
むしろ、お昼休み中なのかあるいは勤務時間真っ只中なのか、毎週のように営業に来られたら、いくら保険大好き日本人!でも、さすがにお腹いっぱいを通り越して、胸やけしてしまうレベルでしょう。
そう、人の脳は、例えそれがどれだけ有益な情報だとしても、”今検討していない”のであれば、基本的にはそれをありがたい情報として認識しないようになっています。
むしろ、今の自分にとって無利益な情報を一方的に進められることには嫌悪感すら抱いてしまう場合すらあることを忘れてはいけません。
お客さんが一番困るのは注文したものが待てど暮らせど届かないこと。
納品業務を希望の納期通りに行っていれば基本はOKです。
逆に言えば、納期管理については徹底的に行いましょう。
外でパソコンを広げるは本末転倒
車の中で広げるノートパソコンはビジネス作業においての時間効率が悪い
受信メールを確かめるくらいのことならば良いと思いますが、そこで調べ物をして、見積作成をして・・・という作業を車内で行うことは非常に効率が悪いです。
会社に戻ればデスクという物理的な作業領域がまず大前提として確保されますよね。
資料を広げるにしても、電卓を打つにしてもやはりデスクを使えるメリットは自分が想像している以上に大きいものです。
調べ物をするにしても、もし自身の会社内デスクにデュアルモニタがあれば効率はシングルモニタの2倍・3倍になると思います。
今回の主題から逸れるので割愛しますが、未だにシングルモニタでデスクワークをしている人は、騙されたと思ってデュアルモニタを試してみてください。
おそらく、1度デュアル(もしくはトリプル)モニタを経験したら、シングルモニタでのデスクワークには戻れません。
話は戻りますが、ノートパソコンの大きくてもせいぜい15.6インチ程度のモニタ範囲内でWEBページやフォルダを開いては閉じて(あるいは小さく表示して)を繰り返すことは効率的ではありません。
”誰かの目”(=大概は上司)を気にしてとにかく外出する。
”稼ぐためには1分でも多く外出しなければ”という固定概念。
その結果、会社にいれば10分で終わる仕事を、車の中で20分かけてやっているなんてことありませんか?
限られた空間の中では、”出来ることの制限”こそなくても、”同じ時間で出来ることの制限”は自分が思っている以上にあるのです。
どうしても車の中でやらなければいけない場面以外では、パソコン作業は会社(もしくは作業領域をきちんと確保できる場所)で行うようにしましょう。
得意先がコンビニになっていないか
営業に出ているのに、自分が買う側になる負のルーティン
朝一の営業を控えてコンビニに寄って栄養ドリンクで景気付け!
1件営業を終えてはまたコンビニへ寄って小腹が空いたからパンを買おう!
最後の営業を終えて「今日も良く頑張ったね自分」の意味合いのおつかれ缶コーヒー!
やめましょう・・・
ミイラ取りがミイラ状態です。
営業に出ているつもりが、待ちのスタイルの営業であるコンビニに時間もお金も費やす上得意様になっていますよ。
ホッと一息は大切ですが、営業マンの多くは1日に何度も何度も一息をつく悪癖があるものです。
その時間の分だけ帰社時間が遅れ、後述するお客さんへの返信レスポンスにも影響が出て、かつ、自分自身の帰宅時間も遅くなるまさに負のルーティンです。
本当にホッとする時間は自宅でこそ生まれるべきですし、その為には無駄な外出時間を減らして、営業マン=定時で上がるは悪、という古い習慣を自ら打破する必要があるのです。
定時で上がることが出来ないのは、不要な小休憩を、営業という職種の特権と言わんばかりに乱用しているせいもあるのです。
自分の為の営業はもうやめよう
結局は自己満足にお客さんを巻き込んでいるだけ
大体の営業マンは”自己満足の営業活動”を行っています。
アポイント例その①:「次の火曜日に新製品のPRで!」
一部の例外を除いて、そもそも商社営業は自社製品を売っているわけではないので製品知識などたかが知れています。
PRと言いつつ、いざ訪問して行う営業活動は「カタログ配布」程度で、詳しい話など出来ないことがほとんど。
であれば、カタログはPDF添付して、概略をメール文面で案内すればOKです。
あなたが普段から信頼される営業マンであれば、「お忙しい中とは思いますが、お時間がある時に目を通してみてください」の一言を添えて送ったメールを、お客さんは自分のタイミング=きちんと情報を得ようと思える時間の中できっと見てくれるはずです。
アポイント例その②:「最近顔出し出来ていなかったので!」
「いやいや、別にそんなに顔を見せに来なくても、必要時には声かけるから・・・」がお客さんの本音です。
月に1回程度ならまだしも、依頼や相談されている案件が無いのにも関わらず週に1回などの高頻度で客先に出現することは自分の社内評価=外に出ている時間が営業の本業、と勘違いしている昭和スタイルの営業マンです。
ロールプレイングゲームで移動目的地までにフィールド上で嫌というほど出くわす雑魚キャラ。
あなたならばウェルカムですか?
早く目的地に着きたいですよね。
お客さんの本業はあなたの営業を受けることではないことをお忘れなく。
お客さんの為の営業時間なのか、自分の為の営業時間なのか。
仕事の本質を見失ってしまわないようにしましょう。
外出中は自分の方を向いてくれている依頼者を待たせている
依頼者へのレスポンスが遅くなることこそ、最大の機会損失
運転中や他のお客さんへの営業中にメールや見積回答ができるような超能力の持ち主!!
自分に来たお客さんからのメールを完璧に返信してくれる有能なアシスタントが常に会社で待機してくれている♪♪
そんなことでもない限り、自分が外出している間はなかなか”来ているメールへの返信”が出来ないのではないでしょうか?
そう、これこそが最大の営業機会損失なのです。
せっかく自分を頼りに、または懇意にして依頼メールをくれたお客さんへの回答が数時間後、または翌日以降になる。
これって依頼を出した側の思いはどうなのでしょうか?
「あの人はいつも営業に来てくれるけど、いざ依頼を出すと返信がなかなか返っててこない」
「あの人はあんまり通い詰めてこないけど、メールはたいがい1時間もあれば返してくれる」
自分がお客さんの立場であれば、前者へ積極的に依頼したいと思うでしょうか?
「顔もうろ覚えだし、直接会う機会は少ないけれど、常に頼りに出来て信頼のおける営業担当を欲している」というお客さんは案外に多いもので、そういう営業マンとして自分自身を認識してもらえれば黙っていても依頼は絶えなくなるものなのです。
その信頼を得るには、お客さんが求める以上のスピードでレスポンスすることが大切です。
想像を超えた回答速度にお客さんは小さな感動を覚え、それが常態化すれば自然と次の案件依頼へと繋がっていきます。
一度がっちり心を掴んでしまえば、そう簡単に他の営業マンや商社にお客さんがなびいてしまうことはありませんから。
タイムイズマネー。
効果的なメールについても他の記事で力説しています↓↓
まとめ
外回り頻度と数字は直結しない
外回り出来ている(する時間が潤沢にある)営業というのはそもそも依頼が少ないのです。
依頼が少ない営業というのはお客さんの信頼が薄いのです。
お客さんの信頼が薄いということは依頼に対してのレスポンス回答が遅いのです。
レスポンス回答が遅い営業は多くの場合、不要な外回りにばかり時間を割いているのです。
これだけ情報化社会となった現代において、お客さんも「待つくらいなら他のルートを探す」「自分で解決する」というスタンスです。
そのくらいスピードが求められる時代なのです。
そして、冒頭記載したように、今回のお話の対象は「商社営業」「ルート営業」の方々に向けたものですから、お客さんからすれば「必ずその人・その商社でなくても他に使い勝手が良いルートがあればどこでも良い」が本音だったりするのです。
外回りによって数字の組み立てを考えるのではなく、向けられた矢印(依頼)に対していかに誠実に早くレスポンス出来るか。
それを繰り返していれば売上は確実に積み上がります。
信頼は間違いなく数字に反映されるので、焦らずどっしり構えていきましょう。
商社マンのおすすめについても書いています↓↓
後記
最後までお読みいただきありがとうございます。
商社とはなんぞや?ということや、では、お客さんの依頼へ満足度高く回答するにはどうすれば良いの?という具体的内容はまた別の機会にご紹介出来ればと思います。
今回は、営業活動においての「外回りの頻度」という概念をそもそも払拭することを少しでも感じ取っていただければ幸いです。
ご質問・ご相談ありましたらコメント欄からお問い合わせ下されば個別にお返事致します。
その他、ブログ内で取り上げて欲しい内容があればお気軽にご要望下さい。