皆さんの毎日の労働時間はどのくらいですか?
働き方改革!なんて言われても、いざ自分の身に置き換えてみると実感のない人が多いのではないでしょうか?
会社員として勤めていることは組織に属しているということです。
国が何か新しい方針を打ち出したとしても、それぞれの会社規模やシステムが明日から急に変わるなんてことは難しいのが現状です。
もちろん、大手企業であればそういった世の中の動向に敏感に反応して改革を推し進めることもあると思いますが、中小・零細企業はそもそも限られた従業員数の中で仕事を行っているわけですので、会社がトップダウン的に「従業員にやさしい」改革を行えるかというと・・・
ではどうするべきか。
やはり「個」としての働き方を自分なりに見つめなおし、それを日々の業務に反映させていくことが必要ですね。
今回は、ビジネスにおける断捨離のすすめを解説していきます。
働き方改革の実情
【まだまだ古い体制=残業ありきが当たり前】
働き方改革が施工されてから、風潮としては「残業時間」の見直しが世の中で大分謳われるようになりました。
しかしながら、実際に具体性を持ってそこに取り組んでいる会社はどの程度でしょうか?
下記は厚生労働省がIT業界1248社を対象として2018年に行った実態調査です。
右側のグラフで見てわかる通り、所定外労働=残業が「20時間未満」が49%となっております。
一方で、30時間未満が29%、40時間未満が6%、40時間以上が2%と、無回答の14%を除いても、20時間を超えての残業が常態化している会社が37%を占めていることもわかります。
全体の約3割にあたりますね。
次にもう一つ見てみましょう。
左側のグラフで、残業80時間を超える従業員が”いない”企業が60%です。
無回答の3%を除いても、残り37%、そう、ここでも全体の約3割の会社で80時間を超える残業をしている従業員がいるということです。
月80時間です。
一か月の稼働日を20日だと仮定した場合、一日平均4時間以上も残業をしている社員=社員にこれだけの残業をさせている会社がまだまだ普通にあるのです。
しかもこれ、「80時間を超える=60%」という調査結果なので、60時間(一日平均3時間)や40時間(一日平均2時間)にした場合、必然的にグラフに占める割合が高くなるでしょう。
労働時間の多さに対する概念が先進諸外国に比べて軽視されている日本において、ある意味「長時間働くことが美学」とされていた時代がずっと続いてきました。
感覚的には古い習慣が根強く残っていることを感じつつも、いざこういった統計で弾き出された数字やデータを目の当たりにするとなんだか悲しい気持ちになりますね。
日本における長時間労働は決して前時代の話ではなく、現在進行形の話なのです。
残業しても生活は潤わない
【必要最低限の暮らしの為に残業が必要になっている】
「残業しないと家族を養えない」という話。
冗談ではなく沢山聞きます。
高度経済成長期~バブル時期(僕を含め、もはやバブルという時代がなんだったのかすら分からない世代が多いですが)までは、働けば働くだけ会社が潤い、それが個人にも収入・所得として大いに還元された時代が日本にもありました。
昔のドラマやアニメを見ると、お父さんが会社帰りにお酒を飲んで帰宅。
千鳥足で「お~っ!今帰ったぞ~っ!!」なんて言いながら、その手には家族へのお土産が、なんていうのを見たことが無いでしょうか?
時間を使って沢山働く。
目に見えてその分手取りの収入が増える。
生活が豊かになり家族にもそれを実感してもらえる。
良い時代ですね。
では現在ではどうでしょうか?
お父さんがお土産を持って帰ってきて、それを子供達が玄関まで迎えに来る。
そんな描写はドラマでもアニメでも、そして実体験でもほとんど無くないですか?
そうなのです。
昔は、労働の割合=生活の”余剰的な豊かさ”に直結していたものの、それを今に置き換えてみると、所定外労働=”最低限の生活を守る為に必要なもの”となってしまっているのです。
残業が無くなる、もしくは減ることで暮らしていくことそのものが困難になってしまうケースが多くあり、自ら手を上げてでも残業や休日出勤をしないといけない人がそこかしこにいるのが現代の日本です。
当然(と言っては聞こえが悪いですが)、お父さんのお小遣いも減り、外でお酒を飲む機会も、子供たちに手土産を持って帰る機会も減らさざるを得ないわけです。
時々会社の上司なんかが、「俺たちの時代は日が変わるまで仕事して、それでも給料は10万とかだったんだぞ!」なんて言いますが、お金の価値が今とはイコールではないので、何の参考にもなりません。
昔は30円そこそこだった某シール入りのチョコが、今や消費税込みで100円近い価格になっていること。
昔は一回100円のものしか見なかったガチャガチャが、今は逆に100円のものを見ることが少なく、一回200円や300円、高いものでは500円もすること。
もはや子供がお小遣いで買えるレベルではなくなっています。
このようにして、説明するまでもなく物価がそれだけ上がっているのです。
そして忘れてならないのが所得税と社会保険料。
いくら頑張って稼いでも、累進課税制度によって所得が高くなればなる程に所得税率が上がります。
少子高齢化に伴い、毎月お給料から引かれる社会保険料だって順次引き上げされてきていますね。
消費税も無く、年金加入すら任意だった時代とは社会のルールが全く違っているのです。
同じ30万円を稼いでも、手元に支給される手取りが昔は28万円、今は23万円・・・のような感じで。
単価を上げないと疲弊する
【自分の価値=時間単価が上がっていないことに違和感を感じよう】
では、やはり残業をすることを正義として今後も働き続けなければいけないのでしょうか?
年に一度の昇給はあるものの、その際の基本給のベースアップだって一般的な国内企業であればそこまで高くないはずです。
月収で10万円も昇給・・・まずないでしょう。
1万円も昇給すれば上々でしょう。
しかしながら、この基本給のベースアップは、労働時間に左右されない昇給=自分の時間単価が上がっているということです。
これと同じように先に述べた残業についてもその単価を考えてみましょう。
当たり前ですが、残業代は時間外労働を行うことで発生する賃金です。
毎月のボーナス的に考える人がたまにいますが、本質が違います。
珍しくばっさりと言い切りますが、「単純に長く働いているだけ=能力給ではない=あなた自身が評価された対価ではない」のです。
一日8時間労働とした場合、一日の1/3を仕事に費やします。
人は人生の1/3を睡眠に充てると言われています。
そうなると、会社員として働いている人のプライベートな時間は残りの1/3で、一日8時間しかない計算です。
実際は会社に行く為の準備や通勤にかかる時間もあるわけなので、本当に自由な時間は一日5~6時間程度の人が多いのではないでしょうか。
更にそこに残業をするとなると、自分のプライベートな時間の切り売りでしかないのです。
そしてこの残業代はもちろん月毎に変動します。
確定要素のない不安定収入です。
生活を守る為と頭では分かっていても、特に好きではない仕事に費やす時間が長くなれば長くなる程、気持ちも体も疲弊します。
自分の趣味の時間。
家族と過ごす時間。
習い事や自己啓発の時間。
決して割の良いわけではない残業代という名のお金と引き換えに、 残業さえ無ければ得られる沢山の幸せな時間を犠牲にしているのです。
自分の時間単価を上げないということは、いつまでたっても「時間をかけて働くこと」にしか解決の糸口が無く、本来求めるべき生活の向上とは反対に、日々が疲弊して味気ないものになるということなのです。
残業以外でお金の問題を解決する選択肢
【欠落しているのは変化するというほんの少しの勇気】
「そうはいっても残業代を稼がなきゃ暮らしていけない!」
そんな声が聞こえてきそうですね。
行動しなければその通りです。
一生会社に依存して生きると決めたならその考え方でも良いと思います。
ただ、僕の知る限りでは、そういう人ほど変化しようとしていないのです。
朝から晩まで何かを考えて・・・などと言うつもりは全くありませんが、周りがやっているからとか、誰かと一緒だからという理由だけで、実はきちんと向き合ってみたことのない「自分自身の環境を変える為の取り組み」に目を向ける必要があるかもしれません。
以下のことについて、自分の事として考えてみたことや実践していることはあるでしょうか?
ほんの一部ですが、各項目で例を上げてみますので、チェックシート的に活用してみてください。
これらをひとつふたつと行っていくことで、残業代に充当するお金が生まれたり、あるいは、残業しなければ払えなかったお金が出ていかなかったりするかもしれません。
✔YouTube
✔せどり
どれも一朝一夕で出来るものではないですが、外に働きに出る労働収入と違い、取り組み方次第では給与よりも高い収入を、より短時間で稼ぐことが出来る可能性があります。
✔家賃
✔車
✔携帯電話
✔電気会社やガス会社
毎月かかる固定費だからこそ見直す必要があります。
最初に多少の手間はかかりますが、それほど特別な知識が無くても誰にとっても比較的再現性の高いものです。
一度変えてしまえば、生活の質を特に落とさずに支出が抑えられる特色があります。
✔ATM手数料
✔現金支払い
✔ローンを組む癖
✔食べ切れない程の食材のまとめ買い
普段のことだからこそ、習慣は怖いです。
得られるものは同じ買い物なのに、出ていく出費額が結果多くなるという事実に鈍感な人は多いもの。
逆に言えば、一度良い習慣がついてしまえば案外大丈夫なもの。
近年で言えばキャッシュレス決済でポイント還元なども効果的な手段です。
残業しないが最強
【本当に怖いのは時間もお金も会社だけに依存すること】
時間単価を上げることについて先に述べましたが、じゃあ具体的には何をすれば良いのでしょうか?
簡単です。
残業をしないことです。
「はっ?」
そう思いましたね。
「だって、収入が減るじゃん!」
そうですね。
でも、このままではずっと今のように時間の切り売りを続けてサラリーマンとして会社からの収入にだけ依存していくことになります。
65歳を定年として働くことを考えてみましょう。
今あなたが20歳ならば45年間。
今あなたが30歳ならば後35年間。
今あなたが40歳ならば後25年。
ただでさえ一日8時間の所定労働時間があることが原則で、そこにプラスして残業を月に20時間、30時間・・・80時間と頑張るとしましょう。
どれだけの時間になりましたか?
そして、その時間を家族と過ごす時間や自分の大好きな趣味に使える時間として考えてみてください。
幸せですよね。
その貴重な時間と引き換えに今後もずっと頑張って残業しますか?
もう一つ言えば、その長い期間、あなたが属する会社は必ず存続し続けているでしょうか?
今ある時間の中で残業して守れるのは、あくまで今の生活だけです。
これから先の未来を守っていくには何か一点に依存するのではなく、何かがあった時に方向転換や別の道をきちんと歩んでいけるようにレールづくりをしておくことが必要なのです。
そしてそれを実践するには、残業に費やしていた時間を減らして、人生における自分の単価を上げる為の準備に使っていく必要があるのです。
一日10時間も12時間も会社で働いていたら、その時間は捻出できません。
そう、残業しないことが最強の自分を作る為の第一歩なのです。
断捨離断行
【人間は慣れる生き物だから】
では明日から全く残業しないということが出来るかと言われればそれは確かに難しいと思います。
会社が業務を減らしてくれるわけではありませんからね。
でも少し考えてみましょう。
自分発信・自分主導で変えていけることがないか、と。
会社にいる間中、本当に無駄な仕事が一切ないでしょうか?
割り当てられている仕事の全てが今日行わなければいけない仕事でしょうか?
仕事の効率化や取り組み方を変えてみる方法に向き合ってみたことはありますか?
以下、いくつか具体例にて。
自分のタスクを分散できるというのはどんな仕事においても重要ですし、会社としての力は一転集中型(誰にか比重が偏る)よりも面で支える(全員がバランス良くパフォーマンス出来る)方が強いのです。
外へ出かけられない程に依頼が舞い込むのであれば、営業スタイルそのものを変えてみる必要がありますし、その方が数字も伸びるものです。
以前の記事で外回り営業についてとメールの大切さについて書いています↓↓
シンプルなフローを考えて提案することは会社からも重宝されます。
最初は人の目もあって後ろ髪ひかれる思いになるかもしれませんが、自分も周りもすぐに慣れます。
「早く帰る人」くらいに思われる領域までくれば儲けものです。
本来、しっかり仕事を時間通りにこなして成果を出せるのは、仕事の出来る人の条件です。
このような感じで、仕事において「自分がしなくて良いこと」「今しなくても良いこと」は探せば案外沢山あるものです。
断捨離してスマートビジネスが出来るようになれば、いつしか「本当に必要な時だけ残業」という態勢となり定時あがりで気持ちよく仕事を終えられるようになります。
良くも悪くも人は慣れる生き物です。
そもそもですが、国が改革しようと言っているのですが、その小さな灯をともすのがあなたであっても良いと思いませんか?
適正な働き方で時間を生み出し、生み出した時間で自分単価を上げましょう。
まとめ
【誰だって最初は怖いけど、守りたいものがあるから進む】
今回は残業というワードから見る自分の価値を見直しましょう、というお話をさせていただきました。
なかなか組織の中にいると難しいことがあるのは事実ですが、国や会社という組織が、個である我々を一から十まで面倒見てくれる世の中ではないのです。
だとすれば、多少の波風を立てることになろうが、周りと少し違った人間だと思われようが、自分と家族、本当に大切なものを守れるようになった方が幸せだと思いませんか?
勇気を出して断捨離断行!
やってみましょう。
実は残業少ない?!商社マンのおすすめも別記事で↓↓
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後記
まだまだ文章力もなく、言いたいことを端的に伝えることがどれだけ難しいか痛感する日々です。
だらだらと長文になってしまったにもかかわらず最後までお読みいただけた方には感謝しかありません。
お読みいただける方々にとって少しでも有益な情報を発信出来るよう今後も頑張ります!
ご質問・ご相談ありましたらコメント欄からお問い合わせ下されば個別にお返致します。
その他、ブログ内で取り上げて欲しい内容があればお気軽にご要望下さい。