この記事では、営業マンだけに限らず、内勤で営業フォローをする職種の方々など、多くのビジネスマンが覚えておくべき、メール返信の鉄則をお伝え致します。
今回説明する方法を実践することで、多くの場合はお客さんからの信頼が厚くなり、問い合わせや依頼が増え、外勤営業に回るボリュームに頼らずとも今よりも自然に売上が増えていくはずです。
皆さんは普段の業務にて、お客様からもらうメールに対して何かルールを決めて返信していますか?
多くの人は特にそこを意識をしていないと思います。
実は少し工夫をすることで、外回り営業以上に効率良く、そしてインパクト強くお客さんからの問い合わせや依頼を増やせるメール返信のルールがあるのです。
名付けて「18時間ルール」
誰にでも再現性のある比較的簡単な方法ですので、是非最後まで読んでいただければ幸いです。
最初に優先度を決めてしまう
内容を見極めて返せるものからどんどん返す
営業の仕事をしていると、お客さんや仕入れ先との間で日に数十、多ければ数百のメールのやり取りを日常的にすると思います。
そんな中で、皆さんはどのようにしてメールの返信管理をしているでしょうか?
ひとつとして出来るだけ多くのタスクは貯めないようにするという方法があります。
まずは、現時点で溜まっているメールを一通り読みます。
その中で、返信する優先順位を決めるようにして下さい。
「えっ?もらっているメールの順番通りに処理・返信していかなきゃいけないんじゃ・・・」と、そう思う人もいるかもしれません。
もちろん、受信時間の早いものから優先して返信していくことは大切です。
それが誠実さというものです。
ですので、心構えとしてそれは大前提持っていていただきたいですし、その部分の補足説明は次の項目で詳しく後述します。
まずは下記の例を読んでみてください。
朝9時の始業時、あなたがパソコンを開いた時点で10件の未読メールがあるとします。
早くメールをくれた人から順に、アルファベットでAさん・・Bさん・・・Cさん・・・・というように「Aさん~Jさん]として振り分けていきましょう。
1番早い時間に受け取っている「Aさん」からのメールを開いてみたところ、そのメールに記載された依頼内容が多少複雑で調べ事に時間を要し、結果返信に30分かかったとします。
その後に、残った9件「B~Jさん」からのメールを順番に開いてみると、どれも簡単な内容で、1メール3分=計27分で返信出来たとします。
ここに費やしたトータルの時間は計57分。
この場合、2人目のBさん以降の9人へは最短でも9:30以降にメール返信が開始されるわけです。最後のJさんに至っては9:57に返信完了です。
30分を超えて返信を待っている人が9人いますね。
では次に、1番早い時間に受け取っている「Aさん」からのメールが複雑なので、思い切って1番後回しにしてみましょう。
「B~Jさん」までは先程と同様にそれぞれ3分かけたとすると、Jさんにメール返信が完了するのは9:27です。
その後に「Aさん」にメールをこれまた先程と同様30分かけて返信するので、完了は9:57。
30分を超えて返信を受け取った人は「Aさん」1人だけです。
どうですか?
お気づきですか?
そうなのです。
パターン:1においては、たった1人の為の複雑なメールを返す為に、残りの9人への返信が一律で30分遅れてしまうのです。
そして「B~Jさん」の中に、「実は急いで返信が欲しかった」という人がいた場合、たかが30分の時間を”長く感じてしまう”ことも可能性としては0ではないのです。
せっかちな人であれば、その時間を待ちきれずに他のライバル会社へも全く同じ依頼連絡をしてしまった、ということもあるでしょう。
そのライバル会社があなたよりも早く回答をしてしまったら・・・
優先度を決めることは一見ドライな対応に見えるかもしれませんが、営業においては重要なことなのです。
ましてや、時間がかかる案件と認識すればお客さん側も多少多めに時間猶予を設定するものの、簡単な内容だと思って依頼したことにおいてはしびれを切らすのも早かったりします。
一言メールで安心感を
待つ側の一番の心配はメールを読んでくれているかどうか
前項で説明した「ドライな対応になってしまう部分」を補う方法を説明しましょう。
時間のかかる相手への返信を後回しにすることを説明しましたが、それではAさんの満足度が下がってしまう可能性がありますよね?
そんな心配は次の方法で払拭しましょう。
一言メールで「お待たせする旨」を伝えてしまうことです。
具体的に言えば、「ご依頼をありがとうございます。内容確認後、出来る限り早めにお返事致しますので少しお時間を下さい。」とこれだけのメールを送ればとりあえずOKです。
このメールを送ることは、時間にして1分もあれば十分でしょう。
人が1番不安に思うのは、リアクションが何もないことです。
自分が複雑で手間がかかる依頼メールを送っている自覚はありつつも、そのメールに対して長時間何の返信も無ければ、「あの人、私の依頼に着手してくれているんだろうか・・・」という不安感が募ります。
僕も商社の人間として、仕入れ先へ問い合わせをしていて待てど暮らせど返信がないことが多々あるので”ただ待つ”ということがどういう心境か凄く分かります。
一方で、メールを見てくれていることが分かるだけでとても安心出来るのです。
「あぁ、あの人はきちんとやってくれているんだな。時間もかかる依頼をしたのは自分だし、少し気長に待とう」と、そう思えるのです。
先の例に再度当てはめてみましょう。
「Aさん」へは最初に1分かけて、「内容確認中です」というメールを送る。
「B~Jさん」の9人へ3分ずつで返信をする。
再度「Aさん」のメールに対する返信を30分かけて送る。
トータルの時間は58分です。
確かに前項より1分増えてはしまいましたが、B~Jさんへ返信出来た時間はそれぞれ1分ずつ後ろ倒しになっただけで、9:28には10人全員へ一旦の返信ができたことになります。
30分を超えてから返信を受け取っている人は1人もいませんね。
このひと手間をかけられないビジネスマンが非常に多いのです。
確かに「Aさん」に対して「回答をする」という結果の着地にかかる時間は変わらないのかもしれませんが、「進捗状況を報告出来るか否か」で相手方が感じる印象は大きく変わります。
最悪のパターンは、お客さんから「あの件、やってくれているの?」と確認や督促の連絡が入ってしまうことです。
この時点でお客さんには、本来いらない仕事をひとつ多くさせてしまっているのですし、依頼をする側の方が1本多くメールを送っているというバランスも気にしなければいけないところです。
18時間ルール
時間を習慣化すれば悪癖は排除出来る
前項間では多少極端な例で、わずか1時間の間のフローチャート例をあげましたが、実務と照らし合わせた時にはなかなかタイトな時間軸の話になっていたかと思います。
では、18時間ルールを設けてはいかがでしょうか?
これは僕が実際に実践して効果が出ている手法です。
勤務時間が9:00~18:00の会社にあなたが務めているとします。
お客さんから9:00に来たメールがあるとします。
このメールへの返信は6時間後の15:00までにするように努力してみてください。
12:00に来たメールがあるとします。
これに対しては退社時刻であり受信から6時間後である18時までに返信してみてください。
退社時刻である18:00以降に来たメールがあるとします。
これには翌日のお昼12:00までに返信してみてください。
受信から18時間後です。
このような形で、最大18時間後にはメールを返信する癖をつけていくことを意識してやってみましょう。
前項でお伝えしたように、「回答」である必要はありません。
「進捗」を返信するだけで良いのです。
ルールという言葉にするとなんだか大変なような気もしますが、やってみると左程のことではないことに気づきます。
多くの場合は、「回答準備中は返信しない」「最終回答出来る段階になったらメールする」という自分に都合のよいルールが習慣化してしまっているだけなのです。
また、そういう人に限って、注意散漫だったり、コーヒーブレイクの時間が人よりも多かったり、中には仕事中にネットサーフィンしたり・・・と他にも必ずと言ってよい程、悪癖を持ち合わせているものなのです。
効率良く仕事をこなせれば無駄な残業も減らせますし、その為のルールを意識することでお客さんの満足度も上がる。
一石二鳥です。
まとめ
メールの質次第でいくらでも仕事は舞い込む
外に出て一生懸命に営業をすることを否定する気は全くありません。
僕自身、外勤で得る事も沢山あると経験上知っているので。
ただ、注力を外にばかり向けることで、知らずにお客さんの求める質やスピードを見落としたり気づけていなかったりして、結果として他社に仕事が流れてしまうことは思っている以上にあるのです。
以前のブログで外回りの頻度についても触れています↓↓
あわせて読んでいただき、今回紹介した内容と上手くバランス良いお仕事に繋げてみてください。
内勤営業の人も、外回りの営業マンも、視点を変え、メールという大切なビジネスツールに対する時間への意識を少しだけ高めることをおすすめします。
最終的には自分自身が仕事のタスクに追われる感覚も軽減出来ますし、数字(売上)にもきちんと変化が表れるはずですよ。
後記
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回は「メール返信に少しのルールを加える」というお話をしてみました。
このことがもたらす有益性が想像以上に大きいものであることは実践してもらうことで感じられると思います。
また、相手の想像を超えて早いメール返信が出来るようになれば、お客さんはそこに小さな感動を覚え、競合他社との差も確実に感じてもらえるはずです。
そうなれば、依頼先の第一候補としてお客さんの頭に思い浮かぶのがあなたになることが必然になっていくでしょう。
これこそが真の意味での信頼を得るということなのです。
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